【ゾット帝国読解】3.7 カイト編 1章8話「オーヴの主」

今回はカイト編の1章8話「オーヴの主」について分析していきます。

魔法の効力について

本文中で、ネロは以下のような発言しています。

『ボクとしたことが油断した。ミサの魔法が消えて、敵の野営地に落ちるとは。カイト、お前が頼りだ』

このことから、魔法の使用者が気絶すると、その人が発動していた魔法の効力はなくなってしまうということが分かります。

ディーネ(白色ドラゴン)について

7話で登場した白色のドラゴンについて、8話では詳しく説明されています。

白色のドラゴンの名前はディーネと言い、魔力で人間の女性の姿に変身することができます。人間の姿については本文で以下のように描写されています。

女は髪が雪の様に白いミディアムヘアで肩に髪がかかるくらい。

整った目鼻立ちで、瞳は吸い込まれそうなサファイアブルー。

耳に蒼い滴の形をした透明なクリスタルのピアスを付けて、風でピアスが小さく揺れている。

服は長袖の青コットンのロリータクラシックドレスで黒いショートブーツを履いている。

またディーネの来歴について、もともと古代王に仕えており、ラウル帝国滅亡後、ラウル古代遺跡の番人をしていたが、なんらかの理由で封印され長い間眠っていたが、カイトが保有していたオーヴの力で目覚めた、と説明されています。

クリスタルの首飾り(オーヴ)について

本文から、オーヴはラウル帝国製で、元々の所有者であるラウル帝国の古代王の死後、ラウル古代遺跡の最深部の台座に安置されていたが、後にカイトの祖父が持ち去り、カイトの手に渡った、ということが分かります。

カイトの祖父が持ち去った理由について、カイトは

もしかして、爺ちゃんは悪い奴らに脅されて、ラウル古代遺跡の最深部からオーブを持ち去ったのか?

なんのために? わからない。ってことは、爺ちゃんはオーブを悪い連中から隠した?

と思案しています。どんでん返しで実は祖父が悪者だった、という展開は考えづらいため、ここに書かれている通り、カイトの祖父は悪い連中の手にオーヴが渡らないよう持ち帰り、死の際にカイトに託した、と考えるのが自然です。

オーヴの力について

8話冒頭では、気絶中のカイトの脳内に流れ込んできた映像という形で、ミサとネロが敵の野営地で檻の中に捕まっている状況が読者に示されます。なぜ気絶中に映像が流れ込んできたのかについては明示されていませんが、これまでの経緯を見る限り、オーヴの力によるものと考えられます。

過去3回のオーヴの発動はカイトが「ミサを助けろ」「自分を助けろ」と願うことによって不思議な現象が起こるというものでした。今回も「ネロとミサの様子を知りたい」というカイトの要望を、オーヴが叶えた、と考えられます。

ディーネが「そのオーブは使い方を間違えれば世界が滅ぶ品じゃ」と発言していることからも、オーヴの力が強大であることが分かります。おそらく、オーヴとは「使用者が願っていることを何でも実現させる魔法アイテム」といった類のものであると考えられます。

なお、オーヴの使用過多によって気絶すると、2時間ほど目覚めないというデメリットも示されています。

ラウル帝国について

ラウル帝国を治めていたのが古代王と書かれていますので、この世界観の中では帝国の元首は皇帝ではなく王である可能性があります。もしそうであれば、ゾット帝国を治めているのもゾット皇帝ではなく王である可能性が高いと考えられます。

オーヴのような強力な魔法アイテムを製造できるということからも、ラウル帝国の魔法技術がかなり高いものだったということが見て取れます。

また、ラウル帝国は現在、禁断の森となっている場所に存在した国ということが書かれています。

ディーネが「呪いで深い森になってしまった」と発言していますが、この「呪い」について、本文では詳しく説明されておりません。

そのため、深い森になった原因や経緯は不明ですが、最低でも「禁断の森」と呼ばれるほどですから、長い間、人が入植や開拓をせず、古代に存在した家屋や建造物は崩壊し、樹木や植物が繁殖している状態である、ということは確実だと考えられます。

以下の記事によると、金属製の建築物が崩壊を始めるのが300年後と書かれています。

もし突然、人類が地球から消えたら…急速に変化し『リセット』される世界の姿
もし地球から、突然人類が消えてしまったら…?『リセット』され、変わりゆく地球を映しだした映像をご紹介します。

よって、ラウル帝国の滅亡は最低でも300年以上前と予想されます。また、現在残っている遺跡は石造りのものと考えられます。

また、ラウル帝国を治めていた王をディーネは「古代王」と呼んでいます。古代に生きていたはずのディーネが当時の王を「古代王」と呼ぶのは違和感がありますが、ここでは、それほど時代が過ぎた、という表現であると解釈します。

一般的に西洋史では、西ローマ帝国の崩壊(476年)やカール大帝の即位(800年)を古代の終わりとすることが多いようです。このことから作者が、古代とは約1200年以上前の時代である、と考えた可能性も否定できません。

よって、ラウル帝国の滅亡は最低でも300年以上前、現実の歴史に即せば1200年以上前である、と考えられます。

アルガスタの食卓

8話では、キノコカレーとリップルジュースという料理が登場します。ミサの作ったお菓子を除くと、具体的な料理名は初めての登場となります。本文から、アルガスタには、リップル(架空の果物)に加え、ジャガイモ、ニンジン、タマネギ、キノコ、挽肉、ナス、トウモロコシ、カレーのルー(つまり、小麦粉や香辛料)、バターといった食材が存在することが分かります。

食材や料理については、一部創作のものを除けば、現実とあまり変わらないことが分かります。

備考

文責:樋続虎徹

本編(削除済):https://ncode.syosetu.com/n2387co/9/

本編(復元版):https://ncode.syosetu.com/n1830fe/9/

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